妊娠って奇跡の連続だと思いませんか?
令和4年2月3日、私は生きてきた中で1番の絶望を味わいました。
まさか自分が流産を経験するなんて…
妊娠がゴールではない、出産がゴールではないとよく耳にします。もちろん産まれてからがスタートということも頭では理解しています。
しかしその過程にはさまざまな壁があり、ひとつひとつを乗り越えていく必要があるのです。
3人目の妊娠が分かった瞬間から、無事子宮内に着床しているか、無事に心拍が確認できるか‥と次々と小さな不安が押し寄せました。
しかし心拍確認後や12週の壁を超えたら流産の確立が大幅に減るという知識があったので、無事心拍確認が出来たら「12週を超えること」が次の目標になっていました。
流産と宣告される前日には職場の同僚に妊娠を報告し、今回もつわり症状がそこまでひどくなくてよかったな・・とコロナ禍で不安もありながら出産まで進んでいくものだと思っていました。
前回の検診で心拍確認出来ていたのにどうして?
エコーで心臓の場所をとらえられなかっただけで実は今も動いてるんじゃないか・・
そう思い必死でネットやSNSで検索しました。
「心拍確認後 流産」「心拍停止、復活」・・・
私と同じようなワードで検索している方がたくさんいることを知りました。
きっと今この瞬間も不安になって検索している人がいると思います。
知りたい情報がすぐ出てこないもどかしさ‥絶望の中でほしい言葉を必死で探すんですよね‥
私が経験したこと、調べたことが誰かの役に立ったり、少しでも不安解消になれば・・そんな思いでこの記事を作っています。
超えられなかった9週の壁
9週の壁とは医学用語や医学的な概念はなく、一つの指標という意味で妊婦の間で生まれた言葉です。
妊娠期間中、7~9週の流産率が一番高い時期であり12週以降にぐっと流産率が下がることから9週の壁と呼ばれるようになったという説や、ちょうど9週はつわりのピークの時期で、そこを乗り越えたら楽になるという指標として呼ばれるようになったという説があるようです。
9週ごろの赤ちゃんは「器官形成期」といって脳や心臓、消化器官など人間にとって必要な部分が出来てくる時期です。手や足、眼や鼻のパーツ等外見からも人間らしくなっていく時期です。
9週というのは赤ちゃんにとっても妊婦にとっても重要な時期といえます。
私の赤ちゃんは9週を超えることが出来ず8週にはいってすぐ心拍が止まっていました。
週数別流産の確立
全妊娠で起きる流産の確立はおよそ15%といわれています。
22週より前に妊娠が継続できなくなる事を「流産」といい、22週以降は「死産」となります。
全妊娠で起きる流産15%のうち約9割が妊娠12週までに起きるそうです。
心拍が確認できればその後の流産の確立は5%にまで下がると言われており、今回私はその5%に入ってしまったということです。
また年齢により流産の確立は上がっていきます。年齢が上がるにつれ20代で10%~15%、35歳以上で20%、40代では流産の確立はぐっと上がり40%となります。
流産の原因
心拍停止の宣告を受けた日は9週頃(まだ出産予定日修正前でしたので推測です)でしたが成長は8週の始めで止まっていると言われました。
医師からの流産についての説明が全く入ってこず、放心状態の中、先週何かしてしまったかな・・という思いで頭の中がいっぱいでした。
心拍が止まってしまったであろう時期、私は仕事で移動が多く腰が痛いのに無理していた、ひどい下痢や腹痛、電車の乗り換えに間に合わせるため小走りしてしまった…思い当たる節がびっくりするほどたくさん出てきたんです。
あの時のあれが原因だったんじゃ?
と自分を責めました。
しかし初期流産のほとんどは染色体異常や遺伝子によるものといわれています。残念ながら一定の確立で流産がおきます。それはきっと誰にもあらがえないし、どんなに安静にしても流産をとめられないかもしれません。逆に出産まで進む子はきっと母親が初期に少々無理をしても生まれてくるものなのだと思います。
赤ちゃんの生命力って多分私たちが思うよりずっと強いのかもしれません。
参照:1.総論 – 日本産婦人科医会 (jaog.or.jp)
~流産の病理検査~
流産手術や自然排出した場合、排出された胎児・絨毛を病理検査に出しますが、染色体異常の詳細までがわかるものではなく、感染があったか、※胞状奇胎かどうかの診断となります。
流産を連続で繰り返してしまう方もいる為、その場合は反復、習慣流産と呼ばれ、流産の原因をより詳細に調べる検査があります。
流産は自分のせい?
自分を責めてしまう気持ちは痛いほどわかります。私自身、この世の終わりかのように毎日泣きました。今でも思い出してしんみりします。
落ち込みすぎていたとき、主人に
赤ちゃんを守ってあげられなかったとどれだけ後悔しても、どうしようもないよ
と言われ、なんてひどいことを言うんだ!とその時は寄り添ってくれない主人に怒りを覚えました(笑)
しかし時間が経過し冷静になって考えるとどんなに落ち込んでも、現状を変えることは出来ないんだと、あの時言われた主人の言葉は精一杯の不器用な励ましだったのかなと思えるようになりました。
・少しの間赤ちゃんが確かにおなかの中で存在していたことを一生忘れない、思いつづける
そう自分で折り合いをつけることが出来ました。
流産は自分で気づけるのか
私の場合、妊娠が継続していないということに全く気が付きませんでした。
なぜなら心拍が確認できなくなった日も気持ち悪さはありましたし、自然排出後も胸は痛いほど張っていました。
不安になることはあっても妊娠アプリで成長を毎日見るのが楽しく次の検診が待ち遠しいほどでした。心拍停止しているなんて思いもせず職場の同僚に報告までしてしまったぐらいです(笑)仕事中、トイレに行ったときピンクの出血まじりのおりものが大量に出て一気に不安になり急遽病院を受診してすでに心拍が停止したことが判明したので、そのときにはすでに流産が進行していたのだと思います。
検索していると、急につわりがなくなった、胸のはりがなくなったという兆候があった方もいるようでした。私自身心拍が停止している事には気が付くことができませんでしたが、急な出血で異変に気付くことが出来ました。
「ピンク 出血」このように検索したとき、妊娠初期にはよくあるって書いてあったけど私のいやな予感は当たってしまいました。きっと直感が働いたのだと思います。
流産経験者が今伝えたいこと
妊娠が分かったとき本当にうれしかったし、どんなに仕事がつらくても赤ちゃんと一緒に乗り越えられると思っていました。だけど、そんな幸せな矢先に突然宣告された心拍が止まっているという事実が受け入れられなかった。人生のどん底に突き落とされた感覚でした。
時間も必要でした。同じように流産された方のブログやSNSを見て自分で自分を慰める日々でした。
私が救われた言葉たちです。
ネットにはたくさんの情報があふれているので、すべてを鵜呑みにすることはおすすめしません。しかし、自分本位だとしてもこの優しい言葉たちに私は救われました。そんな言葉を信じてみようと思えました。
辛いという気持ちは隠す必要も、ごまかす必要もありません、たくさん泣いていいんです。おそらく周りは通常の日常に戻っていきます。一人だけ置いて行かれたような気持ちになると思いますが、あなたがつらいと思う時間も赤ちゃんのことを考える時間もすべて赤ちゃんへ思いを馳せる事ができる大事な時間です。
妊娠は奇跡の連続です。たくさんの奇跡を乗り越えて誕生する赤ちゃんはかけがえのない存在です。そして自分自身もこの奇跡の上で今生きています。
妊娠の不安や流産の悲しみ、どんな感情も自分の大切な感情です。その気持ちを乗り越えた先にきっと幸せが訪れると信じてみてほしいです。
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